米ドルの基礎
米ドルは世界最大の基軸通貨で、供給量が12兆ドル以上にも及ぶ米ドル通貨はアメリカ国内はもちろんのこと、世界中に行き渡っており、全世界の通貨の基準となる通貨です。
通貨の経済規模が最も大きいので、突然の大きな価格変動が少ない通貨ではありますが、突然の大きな価格変動が起こった場合には、世界中に多大な影響が出ます。
米ドルが高いということは、純粋に世の中がドルという通貨を欲しがっているということになり、米ドルの通貨価値が低いということは、円やユーロなどの他の通貨、世の中が米ドルという決済方法以外の選択を取っていると言うことになります。
また、米国では個人の金の保有量が多く、米ドルの代わりに金で資産を確保している個人もいますので、金の値段があまりに跳ね上がっているときは、個人資産が金に流れている可能性も考えられます。
米ドルが動く要因としては、米ドルに対する信用不安、アメリカの政治背景、経済状況等が直接的要因となります。
この要因の中でも経済指標、その中でも雇用統計、失業率、GDP、連邦公開市場委員会の声明などに注目してチェックする必要があります。
労働省が毎月第一金曜日に発表する雇用統計の失業率と非農業部門雇用者数という指標は、アメリカの雇用に関する重要な情報なので要チェックです。
この雇用統計は低水準なのか高水準なのかというよりも、市場の予想よりどれくらい離れた結果であるかを見る必要があります。
この月初めの第一金曜日は為替の世界では「祭り」とも言える、一大イベントの日になります。
発表の日の東京市場の取引は嵐の前の静けさから、閑散としていることが多いです。
米ドルの取引をする上での注意点としては、 価格があまり変動しにくい通貨である為、大きな流れに逆らって取引をしてはいけないということがあげられます。長期間での取引をすることを頭に入れて取引をしましょう。
世界的に影響力がある事から、そうした流れを読みやすいという状況がある事と、米国は外国のニュースに疎い日本の情報メディアでも比較的に政治や経済の情報が入手しやすくなっているという特徴があります。
材料が豊富で、一般紙からも情報を得られるので初心者の方でも動きが読みやすいと思います。
これ以外にもアメリカのネガティブ・ポジティブ要素の情報は常に把握しておくことをお薦めします。
過去はポンド(イギリス)が世界の基軸通貨でしたが、現在は米ドルなので米ドルが世界を動かすといっても過言ではないでしょう。